2018年5月31日木曜日

【重症心身障碍児童(者)調査報告から】"最後に…"

先日、事務所に、お友達であり、NPO法人 生涯発達ケアセンターさんれんぷ代表の中林亜衣さんが、「群馬県内における重症心身障碍児童(者)実数及びニーズ調査報告」を届けてくれました。


5月2日の上毛新聞に取り上げられ内容を把握していましたが、最初から最後まで目を通しました。
その上で、最後の一文をご本人、亜衣さんの承諾を得て、アップします。

最後に・・・
 娘は超重症児、二歳二か月で、天使になりました。

たくさんの医療的ケアを使い、在宅医療、福祉サービス等で毎日助けてもらい、刺激を受け、短かったけれど、とても濃くて幸せな日々を過ごしました。

 ご縁もあり、娘の生前から守る会の活動に加わらせていただきました。

小さい子のママたちともたくさん出会い、きっとこれから出会うお友達・ママさんもたくさんいるのかなと思います。

「うちの子何もできないから」とあるママがいいました。

・・・もし、子どもたちがいなかったら、この冊子はありません。


子どもたちがいるからできたこと、できること、出会う人、分かること。

まさしく我が子の力。

私はこの先も、ずっとずっと、この力を大切にしたいと思うのです。

冊子を発行するにあたり、たくさんの出会いがありました。

たくさんの方のご協力がありました。

本当にありがとうございました。

実行委員長 中林亜衣

文章を読んだ時に思わず涙が不覚にもあふれてきてしまい、気が付けばアイさんにメールしていました。「紹介させてください」
そしたら、娘さんの写真とともに掲載してほしい、と言ってくださったので添付します。


この写真が送られてきて、最初に目にしたとき、ストンと腑に落ちるものがありました。
愛にあふれてるな。娘さんに対する母親の愛だけでなく、周りの人たちからの愛も、そして、天使になった娘さんからのママへの愛。

だから素敵な最後に・・・のメッセージが欠けるんだ。

そう思いました。



しかし、多くの重症心身障碍児・者、その方々を支えるご家族の生活は厳しいものであります。
再投稿になりますが、調査の詳細、手記をあげておきます。

五月二日の上毛新聞に「在宅の重症心身障碍児・者」に関する記事が掲載されていました。
 これは県重症心身障碍児童(者)を守る会が行ったアンケート結果による内容で、乳幼児から70代までの当事者と暮らす157家族から回答を得ています。
 端的に言えば「たんの吸引」や「胃ろう」「経管栄養」などという医療的ケアを自宅で行っている家族が49%に上っているという結果です。 
 重症心身障碍児(者)と暮らす家族の負担を軽減するために、県は本年度、訪問看護を定額で受けられる支援事業を見直す予定です。医療保険が適応される上限回数より多く利用する家族を対象としていますが、年度内にこの条件を撤廃し、利用時間を延長する形式に改める、としています。 これは当事者家族の意見を踏まえた見直しで前年度の20倍に当たる約一千万円の予算を確保する方針のようです。
 短期入所施設の不足や、在宅でのフレキシブルなサービスの介入が求められる点において、障害当事者のみならず、家族への負担軽減に対する取り組みは急務ですね。
 介護福祉に対する児童福祉は障碍云々に関わらず日本は本当に後退していると考えます。
 社会全体で支えあう事ができる構図を作り上げていくためにも、当事者や家族を支え、関係機関との橋渡しをする「医療的ケア児等コーディネーター」を養成する動きには注目していきたいと思いますが、保健師や看護師などの専門職のスキルアップと共に、ケアマネージャー、ソーシャルワーカーなども広く参画できるといいですね。
 ご家族の不安の声は「短期入所施設が不足し、家族の負担が大きい」「初めての相談先がわからない」「親なき後が心配」というものが上がっています。当然でしょう。
 この調査を行った重症心身障碍児童を守る会の吉田会長は「行政の支援の充実とともに、家族の側も『支援制度を利用しよう』と思える意識づくりが必要」と話しています。
以上
ご覧の様に実際は厳しい、けれどちょっとしたサポートが充実してくることによって、救われる方々が多くいらっしゃいます。



障害福祉、児童福祉分野への取り組みは理念法を含めまだまだ後退したものになっているのが実情です。
超党派で取り組まなければいけない喫緊の課題です。

こうした調査結果をもとに制度改正の要望を出していく、という事がロビー活動としても非常に重要でそうすることによって少しずつ認知度も向上し、制度もより良いものになっていくと思います。私も微力かもしれませんが無力ではありません。

是非、道具として使ってください。

6/12には2018報酬改定問題緊急集会が議員会館で行われるようですので参加し、今後も重症心身障碍児童(者)に対する在宅ケアの制度について追っていこうと思います。


最後に、亜衣さん、娘さん、そして周りにいらっしゃる皆さん、素敵な気付きをほんとうにありがとうございます。

2018年5月29日火曜日

気候変動による経済損失について

気候変動による経済的損失について若干まとめてみます。


気候変動適応法案が本国会に提出されました。この気候変動適応法案は変化している気候の状況に適応する為の法案であり、災害対策や農業、漁業、林業、医療、生態系変化など、気候に対する影響を受けやすいことに対しての対応を自治体、企業、国民の皆さん、行政が連携して対応策、適応策を考えていくという事です。

しかし、この適応策は、温室効果ガスの排出量を極力減らしていき、気温上昇を抑えていくという「緩和策」が大前提であるのは間違いありません。


では、企業、国民の皆さん、自治体はこの気候変動に対して生活や、経済的損失についてどう認識しているか、と考えるとまだまだ結びついていないという実情はぬぐえないと考えます。イギリスでは「気候変動法」という法律が2008年に制定され、明確な目標をか掲げた上で緩和策、適応策に取り組んでいます。

こうした日本の状況を打破するためにも気候変動適応法案には期待をしているところです。

では、実際、気候変動影響が進むことにより、起こりうる経済損失について提言をまとめてみました。茨城大学 地球変動適応科学研究機関長 三村信男教授は気候変動が進めば複合的な被害に見舞われると指摘しています。

①もっとも重要な食料源であるコメの安定供給への影響
2050年ころまでに近畿・四国地方のコメの収穫量は5%減少し、北日本(北海道、東北)では26%増える。

②洪水をはじめとする自然災害の深刻化
西日本の沿岸部では130万人が高潮による洪水被害を受けると予測。

③熱中症や伝染病による死者増大
低い確率で熱中症で死に至る可能性がある人の数は2100年まえに2倍となり、高い確率が高い人々においては5倍に跳ね上がる。

デング熱を広げるヒトスジシマカの北限は戦前では群馬県であったのに対して現在は青森県となっているなど生態系の変化による感染症拡大。

④日本の重要な自然生態系の一部を変化させ被害を与える。

⑤高齢化問題をかあええる自治体や医療制度への負担拡大。

という点を指摘しております。


さらにイギリス財務省が委託して作成した、気候変動問題の経済的側面に関するレビュー、ニコラス・スターン(元世界銀行チーフエコノミスト)の「スターンレビュー」では、

「今行動を起こせば、気候変動の最悪の影響は避ける事ができる。経済モデルを用いた分析によれば、行動しない場合、毎年GDPの少なくとも5%、最悪の場合20%に相当する被害を受ける。対策コストはGDP1%程度しかかからない。」

と要点を述べています。

『対策をしなければ対策コストの5倍から20倍もの経済損失が起きますよ』と指摘している訳です。

さらに、名城大学の落合、大洞、大野氏らが「海面上昇による沿岸域の経済損失とその波及被害の計測」にて伊勢湾地域が海面上昇1mによってどれくらいの経済損失、直接被害が及ぶかを試算しています。結果は20兆円以上。これは伊勢湾のみのデータですから

日本本土の湾にそれぞれ被害が及べばとてつもない経済損失になることは容易に想像できます。


このように重大な問題を引き起こす気候変動に対して、緩和策を企業、行政、国民の皆さん、市民団体が連携して取り組む必要がある事はもっとも重要でありますし、今から全力で、そして最速で取り組まなければいけない事です。

しかし、本日5月15日、参考人質疑でWWFジャパン、気候ネットワークさんからもご指摘をいただいた様に、各国の緩和策で掲げている目標よりも日本は大きく後退した対応であると言わざるを得ません。

官民ともに、と言われますが、国民の皆さんには省エネを呼び掛けておいて国策では石炭火力の新増設や、海外輸出と、逆の方向に進んでいるという状況であります。

国民の皆さんの生活、命、健康だけではなく、経済損失を未然に防ぐためにも緩和策に対して全力で取り組む必要があります。

モーニングセミナーでお話しします。

伊勢崎の倫理法人会 モーニングセミナーにて登壇させていただき、お話しさせていただきます。


天台宗の長男として生まれ、進むべき先が決まっていることに「人権侵害だ!」と感じながらも作業療法士として、自分自身としてのアイデンティティーを探りながら生きてきました。

まだその経過かもしれませんが見えてくる、「自分の根底にある物」についてお話をさせていただきたいと思います。

それはこれからの社会を生き抜いていくために非常に重要な事だと感じているので。

朝六時からと早いのですが、早起きは三文の徳。

是非、お気軽にご参加ください。



【かりゆしウェア】私もきてみたい!

おはようございます。


本日は気温が上がる模様です。そろそろ熱中症にも配慮しないといけない時期に入りましたでしょうか。
水分補給を心掛けましょう。

五月一日から委員会、本会議場でもクールビズが認められますが、本会議場では上着着用が求めらます。

しかし、「かりゆしウェア」は記章をつけていれば上着着用でなくても「かりゆしのみでOK」となっています。環境委員会でも玉城デニー代議士はかりゆし。

私もきてみたい!



が、クールビズに合わせたエアコン設定でないと意味がないのでそこも実現できているか確認していきたいと思います。

浮体式洋上風力発電

環境省による定例勉強会。


本日は風力発電に関して。風力発電は陸上風力発電と、洋上風力発電にわかれます

洋上風力発電は着床式、と浮体式に別ける事ができます。
日本近郊の海上は海底までが深い箇所が多く着床式の風力発電には限界があります。

当然コストが高くなります。それに対して浮体式発電はコスト面でも下げることが可能な発電方式であり、環境負荷も少ないという点から普及が期待されます。

こちらの浮体式にも従来であれば設置コストが高かったわけですが、発電装置そのものを効率的に海上に設置するための工程、仕組みが構築されています。


詳細に関しては細かい部分になりますので、割愛しますが、浜出船や、多機能船と呼ばれる船の技術革新と新しい工程によりコストが下がることが期待されます。

全体像、などに関しては画像を参照していただければいいかと思いますが、大きい浮き(釣りでつかう)のようなイメージです。

もちろん課題も多く、設置しても稼働し発電する割合が洋上でも伸びない可能性が高く、北海道での陸上型の方が高効率であることも考えられるとのこと。しかし、予算はかかりますが技術革新の為には必要なコストと考えられます。

是非、この浮体式洋上風力発電の今後の動向も追っていきたいと思います。

【子どもの生活底上げ法案(通称)】一人親になるのは自己責任でしょうか。貧困は自己責任でしょうか。私はそうは思いません。

立憲民主党が提出した「子どもの生活底上げ法案(通称)」の考え方の一つを紹介します。


児童や障害を持たれている方々、あるいはその家族にとっては大事な児童扶養手当や障害基礎年金、さらには遺族基礎年金。

現在、原則としてこれら、児童扶養手当、障害基礎年金、遺族基礎年金は、高校を卒業すると支給(加算)されなくなり、大学・専門学校等への進学の妨げともなっています。


これを「20歳未満の者」まで支給(加算)対象に拡大する必要があると考えます。

さらに児童扶養手当の支給額をひとり親世帯の支援の為、現行の月額43500円に10000円上乗せし、52500円に。そして支払い回数も現在は4月、8月、12月の年三回となっていますが、家計管理を容易にするためにも毎月支払いする必要があると考えています。
 

日本は一人親世帯に対するフォローがとにかく少ない状況です。貧困率の国際比較を見てみれば明らかで、子どもがいる世帯の相対的貧困率の内、一人親世帯の貧困割合は50.8%となっています。一人親世帯の内、二世帯に一世帯が貧困という状況です。

これは経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で最低です。アメリカよりイスラエルより低いという状況です。

そして、そうした生活保護世帯のこども達の進学率を見てみますと、大学では19%、専修学校では14% 全体では33%という状況です。
教育費用の自己負担額がOECD加盟国の中で最も高いのは日本。そして、年収と学歴が比例関係にある日本において貧困の負の連鎖から抜け出す事ができない方が大勢いらっしゃるわけです。


一人親になるのは自己責任でしょうか。貧困は自己責任でしょうか。私はそうは思いません。誰しも起こりうる事だと思います。だからこそお互いさまに支えあう社会を構築していきたいと思います。

自分の為、自分の子ども達が大人になったときの為、そんな動機でいいんですよ。

2018年5月28日月曜日

【緊急事態条項(新73条の2)について】~自民党憲法改正の条文イメージ・たたき台素案から考える~

南山法律事務所 小口幸人弁護士の文書からまとめてみます。


自民党は2018年3月25日に開かれた党大会において、憲法改正の「条文イメージ・たたき台素案」が報告されました。この中に、「新73条の2」というのがあります。

それは次のようです。

第73条の2(緊急事態条項1)
1 大地震その他の異常かつ大規模な災害により、国会による法律の制定をまついとまがないと認める特別の事情があるときは内閣は、法律で定めるところにより、国民の生命、身体及び財産を保護するため、政令を制定する事ができる。
2 内閣は、前項の政令を制定したときは、法律で定めるところにより、速やかに国会の承認を求めなければならない。

一見、何が問題なのかわかりませんが、まず前段で整理をします。


  • 国会が定める → 法律 (国会は立法機関)
  • 内閣が定める → 政令 (憲法および法律の規定を実施するために内閣が制定する命令)


上下関係と言っていいのかわかりませんが、憲法や法律、政令などは以下の通りです。

■憲法 > 法律(国会で制定)
 > 政令(内閣が憲法、法律に従って制定)※内閣に法律を実施するための政令(執行命令)と法律の委任による政令(委任命令)がある
 > 省令(各省大臣が発する命令) > 通達(行政内部の命令)

以上の事からもわかるように現在の仕組みの上でも、「法律の定めることにより政令を制定する事ができる」訳です。これは現憲法73条6号に定められています。

が、この新73条の2でそこにさらに要件を加重しています。

もう一度条文を振り返ります。

1 大地震その他の異常かつ大規模な災害により、国会による法律の制定をまついとまがないと認める特別の事情があるときは内閣は、法律で定めるところにより、国民の生命、身体及び財産を保護するため、政令を制定する事ができる。

この条文は、現憲法で定められている第73条6号はそのまま残しつつ、盛り込まれるもので、ここで大事なのは、 現憲法73条6号で定める「政令」と自民党素案73条の2項で定める「政令」は違うと小口氏は指摘しています。

つまり、自民党素案は従来から認められていた①法律を実施する為の政令(執行命令)と②法律を実施するための政令(委任命令)とは異なるというのです。



では、この自民党素案の「政令」の中身は何なのか、それは

①要件を加重している事、その要件の一つが「国会による法律の制定を待ついとまがない」ときであること、②第二の二項で「速やかな国会承認を求めていること」から考える必要がある。とのこと。

つまり、立法機関である国会の承認を求める政令、とは「法律と同一の効力を有する政令を示している」と小口氏は指摘しています。この解釈は2012年に自民党が発表した憲法改正草案の98条に「法律と同一の効力を有する政令」を内閣が制定できるようにする案が明記されていることや、党内議論それを報じる一連の報道とも整合します。

この内閣だけで、国会しか制定出来なはずの「法律」と同一の効果を有する政令をつくるという独立命令は、三権分立した意味を失いかねない危険な枠組みであると指摘します。


実際、この様な例として有名なのは1919年にワイマール憲法を制定したナチス・ドイツのケースです。

ワイマール憲法の48条には

「公共の安全、秩序に重大な障害が生じる恐れがあるときは、大統領は、公共の安全、および秩序を回復させるために必要な措置をとることができる」という趣旨の定めがあり、1933年に国会議事堂が放火されるという事件が起こるなり、当時第一党だった党の党首であったヒトラーはヒンデンブルグ大統領に迫り独立命令を制定させ、言論・報道・集会・結社の自由、通信の秘密を制限するとともに令状に寄らない逮捕拘束を行いました。

また、日本においても大日本帝国憲法8条の「緊急勅令(きんきゅうちょくれい)」についても例があります。

1928年帝国議会に治安維持法の改正案が提出されました際に、「罰則に死刑を加える」という点が挙げられましたが、審議未了で廃案。

しかし、その後、緊急勅令により法改正が行われ、国体変革の罪の法定刑が「死刑」に引き上げられました。


この様な教訓から現在の日本国憲法であり、緊急勅令を廃止し、内閣に執行命令と委任命令だけを認め、「独立命令」を禁じたのです。

まだまだ多くの事を小口氏は指摘していますが、緊急事態条項の危険性について上記からも読み取れると思います。災害とは「自然災害」だけではなく多くの事が想定される上に、内閣が独自の法律(と同様の効力をもった政令)を制定すると考えただけで民主主義、立憲主義に反しています。


今後とも学び、お伝えしていきたいと思います。